名前
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幼名は江流。法名は陳玄奘、唐の太宗皇帝から三蔵という称号を与えられ、一般に唐三蔵と呼ばれる。(三蔵とは天竺の大雷音寺に収められている、天を談ずる「法」、地を説く「論」、鬼を済度する「経」各1蔵ずつ計3蔵のこと)
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出身
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南贍部州大唐国海州弘農群聚賢荘
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略歴
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前世は如来の二番弟子の金蝉子であったが、教えを聞き入れなかったため下界に生まれ変わることになった(第1難)。父は陳光蕊。生まれる前に父は劉洪という男に江(かわ)に突き落とされる。母は劉洪の妻にさせられる。生まれてすぐ劉洪に殺されそうになるが(第2難)、母によって江に流される(第3難)。下流の金山寺に流れ着き、金山寺の遷安和尚(法明和尚という説もある)に養われる。18歳になった時に遷安和尚の弟子となり「玄奘」という法名を授けられる。遷安和尚から自らの出生の秘密を聞かされ、母を尋ねて外祖父に頼み、父の仇の劉洪を討ってもらう(第4難)。一方、父の光蕊は突き落とされた江の底で、昔助けた龍王のおかげで生きており、玄奘は江の底から帰ってきた父の光蕊と初めて会うことができた。そののちに長安の洪福寺にて僧官となる。丞相の魏徴が夢でケイ河の龍王を斬ったことにより、唐の太宗皇帝は死んで地獄めぐりをするが、この世に生き還ることができたため勅命を発し、地獄をさ迷う亡者救済の大法要を化生寺でひらく。このとき玄奘が選ばれて壇主となり、大闡都僧綱となる。ところが、途中で観音菩薩が乗り込んで来て小乗仏教では亡者の救済はできないと難癖をつけたので、法要は中止となる。玄奘は太宗の意をくんで天竺の大雷音寺の如来のところに大乗仏教の経典を取りに行くことを決意する。太宗と義兄弟の契りを結び、「三蔵」という称号を与えられる。旅の途中、太宗につけてもらった二人の従者と馬を失うが、悟空、八戒、悟浄の三人の弟子と白馬(西海龍王敖閏の第三子、玉龍の化身)を得る。三蔵の肉をひと切れでも食ったら不老長寿になるという「うわさ」が妖怪たちの間に広まっており、道中、いつも命をねらわれる。数々の災難を乗り越え14年目に天竺国の霊山にたどり着き、凌雲渡で底無しの渡し舟に乗っているとき、行が満ちて凡胎を脱し成仏となる。大雷音寺で如来に会って経典5,048巻を授けられる。雲に乗って唐の長安に帰り太宗皇帝に経典を納める。再び雷音寺に戻ったとき、如来から正果を認められて「栴檀功徳仏」となる。なお、三蔵の受ける災難は全部で81難。
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容姿
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眉清目秀。容顔斉整。額闊頂平(額広く頂きは平ら)。耳垂肩(耳は肩まで垂れる)。手過膝(手は膝を過ぎる)。十世修行的真体(十世にわたって修行した真体)。好似羅漢臨凡(羅漢がこの世に降臨するに似る)。十分俊雅。元陽未泄(純潔を守って童貞である)。 |
武器
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緊箍呪(これを唱えると悟空の頭の箍が締めつけられて悟空は三蔵に抵抗できなくなる) |
技能
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多くの経典に通じている。般若心経を一度聞いただけで覚える。座禅ができる。東土に人間として生まれ落ちてからは凡胎であったため雲に乗れなかったが、西天に着き霊山の凌雲渡で行が満ちて凡胎を脱してからは雲にも乗れるようになった。
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性格
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禁欲的。妖怪にだまされやすい。慈悲深い。信仰心が厚い。妖怪に捕まえられて泣いたり、イライラして弟子に八つ当たりしたりと人間味豊かなところも多い。
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